文部科学大臣認定「産業数学の先進的・基礎的共同研究拠点」九州大学マス・フォア・インダストリ研究所

数学と物理におけるJuliaの活用|2023a015

カテゴリー:イベント

タグ: 一般研究 研究集会II 

開催概要

  • 開催方法:九州大学 伊都キャンパスとZoomミーティングによるハイブリッド開催
  • 開催場所:九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 D棟 4階 IMIオーディトリアム(W1-D-413)
  • 主要言語:日本語
  • 共催:九州大学マス・フォア・インダストリ研究所,学術変革領域研究A「「学習物理学」の創成-機械学習と物理学の融合新領域による基礎物理学の変革」
  • 種別・種目:一般研究-研究集会(Ⅱ)
  • 研究計画題目:数学と物理におけるJuliaの活用
  • 研究代表者:富谷 昭夫(大阪国際工科専門職大学情報工学科・助教)
  • 研究実施期間:2023年7月10日(月)〜2023年7月12日(水)
  • 公開期間:2023年7月10日(月)〜2023年7月12日(水)
  • 研究計画詳細https://joint1.imi.kyushu-u.ac.jp/research_chooses/view/2023a015

研究集会のWebページ

https://akio-tomiya.github.io/julia_imi_workshop2023/

プログラム

 7/10(月)7/11(火)7/12(水)
10:00 – 10:50横山俊一 (東京都立大学)
数論における Julia の援用
品岡寛(埼玉大学)
Juliaと量子多体計算:スパースモデリングからQuantics Tensor Trainまで
10:50 – 11:10休憩休憩
11:10 – 12:00堀川由人(大阪大学)
BasicBSpline.jl で始める B-spline
富谷昭夫 (大阪国際工科専門職大学)
素粒子物理におけるJuliaの活用~格子QCDの大規模計算に向けて~
12:00 – 13:30昼休憩昼休憩
13:30 – 14:20後藤俊介 (来栖川電算) 
寺崎敏志 (AtelierArith)
インストールと基本的な使い方           
永井佑紀 (日本原子力研究開発機構)
Juliaによる科学技術計算:大規模並列計算について
全体総括
14:20 – 14:40休憩休憩休憩
14:40 – 15:30後藤俊介 (来栖川電算) 
寺崎敏志 (AtelierArith)
型と多重ディスパッチ 
降籏大介(大阪大学)
応用数学の概念を用いた物理モデルをいかに Julia でプログラミングを行うか
自由討論
15:30 – 15:50休憩ライトニングトーク 
15:50 – 16:40後藤俊介 (来栖川電算) 
寺崎敏志 (AtelierArith)
スレッド並列の基礎 
ポスター自由討論
16:40 – 17:00休憩ポスター自由討論
17:00 – 17:50自由討論ポスター 
  懇親会 

チュートリアル講演

Julia 入門

○講演者:
後藤俊介 (来栖川電算) “実践Julia入門” 技術評論社
寺崎敏志 (AtelierArith)

○講演時間: 7/10(月)
1.インストールと基本的な使い方 (13:30 – 14:20)

2.型と多重ディスパッチ(14:40 – 15:30)

3.スレッド並列の基礎 (15:50 – 16:40)

概要: ライトユースにも使いたい、けれどもそれで高速性を犠牲にしたくない。総合的に開発できるものにしたい。超初心者にも習得は容易でありながら、ハッカーの満足にも応えられるものがほしい。」そういった願いからプログラミング言語 Julia が誕生しました。直近では v1.9 がリリースされ、長年課題であったパッケージの読み込み時間の短縮など、開発体験の改善が行われました。さらに和書の入門書も充実してきており、学習を始めるには絶好のタイミングといえるでしょう。本チュートリアル講演では Julia の入門として 1. インストールと基本的な使い方, 2. 型と多重ディスパッチ, 3. スレッド並列の基礎 の 3 つのトピックを解説します。この機会に Julia に入門し、新しい体験を始めてみませんか。

1. インストールと基本的な使い方 予習資料

招待講演

BasicBSpline.jl で始める B-spline

  • 講演者: 堀川由人(大阪大学)
  • 講演時間: 7/11(火) 11:10 – 12:00
  • B-splineは滑らかさを保証した区分多項式を作るための道具であり、幾何形状表現や数値解析など広範な分野で活用されている。JuliaにおけるB-splineのパッケージは幾つか存在するが、その中でもBasicBSpline.jlを本講演では扱う。BasicBSpline.jlパッケージの使用方法を交えながらB-splineに関する理論を解説し、その応用例についても触れる。

応用数学の概念を用いた物理モデルをいかに Julia でプログラミングを行うか

  • 講演者: 降籏大介(大阪大学)
  • 講演時間: 7/11(火) 14:40 – 15:30
  • 物理上の相分離現象に対するモデル方程式としては Cahn-Hilliard方程式が有名かつ有用だが,この数値解析は計算量的に高コストである.そこでこの現象のごく初期過程を除いて状況を記述するようなシンプルなモデルを考案したい. この際,流体的挙動を模するために空間の Voronoi分割という応用数学的手法をモデルに取り入れるのだが,これまでのコンピュータ言語ではこうしたモデルの数値解析にはそれなりに苦労する面が多々あったのが現状である.これに対し,Julia を用いると比較的容易に数値解析が行えることを示すことで,微分方程式の数値解析に対してJuliaがどのように用いられるかを紹介したい.

Juliaと量子多体計算:スパースモデリングからQuantics Tensor Trainまで

  • 講演者: 品岡寛(埼玉大学)
  • 講演時間: 7/12(水) 10:00 – 10:50
  • 本講演では、Juliaを用いた情報圧縮技術の量子多体計算への応用を紹介する。 前半では、虚時間グリーン関数の「スパースモデリング」技術 [1]を実装したSparseIR.jl [2] を紹介する。本ライブラリでは、疑似四倍精度浮動小数点演算による特異値分解を活用し、悪条件の積分方程式を解くことで、虚時間グリーン関数の最適な正規直交基底を構成する。これにより、虚時間形式に基づく場の量子論計算を大幅に高速化することができる [2]。後半では、桁違いに異なる複数の長さスケールが共存する関数を圧縮可能なquantics (quantized) tensor train (QTT) [3]を紹介する。近年、QTTは、流体力学[4]や量子多体計算[5]など、物理学の様々な分野で応用されている。テンソルネットワーク、QTTを解説した後、品岡等が開発する実験的なライブラリのデモンストレーションを行う。このライブラリを用いていることで、QTTによって圧縮されたデータのフーリエ変換、畳み込みなどの演算が簡便に行える。量子物理学を超えた将来の応用についても議論したい。

口頭発表

数論における Julia の援用

  • 講演者: 横山俊一 (東京都立大学)
  • 講演時間: 7/11(火) 10:00 – 10:50
  • Julia 言語は現在急速に普及しているが、数学分野においては比較的幾何学・解析学の分野においての活用例が多く、代数学の分野においてはまだまだ少ないのが現状である。しかしながら近年では AbstractAlgebra.jl などに代表される、非常に汎用性の高いパッケージが充実してきている。本講演では代数系分野における Julia 活用の可能性について触れた後、とくに数論における Julia native の数式処理システム開発プロジェクト NemoCas / OSCAR について紹介する。

Juliaによる科学技術計算:大規模並列計算について

  • 講演者: 永井佑紀 (日本原子力研究開発機構) “1週間で学べる! Julia数値計算プログラミング” 講談社
  • 講演時間: 7/11(火) 13:30 – 14:20
  • 概要: Juliaを使った科学技術計算の方法について具体例を交えながら解説を行う。特に、現在Fortranを用いて数値計算を行ってきている方がJuliaに期待しているであろう点について言及する予定である。Fortranは、高速でありかつスーパーコンピュータ上での大規模並列計算が可能である。一方で、機械学習に関するパッケージはほとんどなく、Fortran使用者にとって、既存の数値計算と機械学習を組み合わせるのは非常に難しい。そこで、Juliaである。Juliaは高速で動作し、MPI並列計算もFortran(と同程度かそれ以上に楽に)実装できる。そして、最新の機械学習アルゴリズムを簡単に実装できる。本講演では、Juliaによる大規模並列計算の方法と、機械学習の方法について述べる予定である。

素粒子物理におけるJuliaの活用~格子QCDの大規模計算に向けて~

  • 講演者: 富谷昭夫 (大阪国際工科専門職大学)
  • 講演時間: 7/12(水) 11:10 – 12:00
  • 概要: 格子QCDの数値計算周りの話とJulia の利用について話します。

マス・フォア・インダストリ研究 No.27

申込方法

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<九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 共同利用・共同研究拠点事務室>
imikyoten(at)jimu.kyushu-u.ac.jp
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